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「社会保険労務士なんて取っても意味ない」
「社労士は食べていけない」
そんな風に言われたら、社労士を目指そうか迷っている人や既に勉強中の人は不安になりますよね。
私は開業するか迷っていたときに
「社労士なんて食べていけないよ」
と勉強会か交流会でお会いした某省の職員の方に言われて、ショックを受けたことがあります。
ここでは実際に会社員として働きながら社労士試験に合格した資格者の本音をご紹介します。
社労士はなぜ意味がないと言われるのか?
社労士は社会保険労務士法に基づいた国家資格者で、社会保険労務士の主な業務は以下のとおりです。
- 労働社会保険手続き業務
- 労働管理の相談指導業務
- 年金相談業務
- 紛争解決手続代理業務
- 補佐人の業務
(全国社会保険労務士会連合会より)
社労士は人事労務管理の専門家であり、独立開業することができる資格です。独占業務である各種申請や労働社会保険などの手続きはデジタル化が進み、人手が必要な場面が増えるということはないでしょう。一方で、相談業務などコンサルティング領域のニーズが増えていくと思われますが、社労士の資格がないとできない業務ではありません。
そういった点だけを見れば、社労士の資格を取る意味はやっぱりないのかなと感じるかもしれません。お金と時間をかけて、役に立たない資格を目指したくはないですよね。
実は社労士の資格が役立つ人もいれば、取ってもあまり意味がない人もいるのです。社労士の資格をおすすめできる人をご紹介します。
社労士の資格をおすすめする人
人事労務・総務系の部門で働いている人
人事部勤務の私が30代前半で転職を考えたときに、手ぶらで辞めるわけにもいかないと考え、関連した資格として社労士を選びました。あまりに辞めたい気持ちが強かったので、とにかく短期合格だけを目指しました。その結果、勉強をはじめてから1年半、1回の受験で社労士試験に合格することができました。
合格したあとの達成感と周囲の評価がアップしたこと、辞めたかった1番の理由の上司が異動したことで、仕事のモチベーションが上がり、結果として転職は見送ることにしました。当初の目的とは違ってしまいましたが、資格を取得したことはすごく意味があったと思っています。
一方で、学歴に自信があり、実務経験も十分で社内での評価にも満足している人は、社労士の資格を取っても意味がないと感じるかもしれません。
転職・就職を有利に進めたい人
一般的には社労士の知名度はあまり高くないかもしれませんが、人事労務系ではメジャー資格です。学歴や実務経験にあまり自信がない人でも転職・就職で基礎知識があることのアピールとして社労士の資格は有効です。実際に転職組で社労士の資格を持っている人は多いです。
社会人経験がない人やキャリアチェンジを目指す人、非正規社員から正社員を目指す人などにとっても、一目置かれる資格になることは間違いありません。
独立したい人
社労士は独立開業ができる国家資格です。会社員を辞めて自分で仕事をしてみたいという人におすすめです。定年がなく、自分のキャリアを自由に描くことができます。
ただし、資格を取得して開業さえすれば仕事ができるわけではなく、仕事を取ってくる必要があります。経験上、開業初期には人事経験や資格より事業計画や営業ノウハウの方が必要だと感じました。
社内で職種変更したい人
技術系から事務系、外勤から内勤など、仕事を続けていると何等かの事情で職種を変更したい、あるいは変更せざるを得ないことが少なくありません。こういった職種変更は、本人にも受け入れる側にもリスクがあります。それぞれの不安を解消することに社労士の資格が役立ちます。
「人事労務系の仕事をしてみたいけれど、向いているかどうかわからない」という人にとって、社労士の勉強をして面白かったり、スムーズに進められるようでであればチャレンジしてみる価値があるといえるでしょう。受け入れる側にとっても社労士の資格を持っている人であれば、任せられる業務をイメージしやすくなります。
ダブルライセンスを目指す人
すでに持っている資格にプラスして専門領域を広げたい人にも社労士をおすすめします。例えば人事系ではキャリアコンサルタントや衛生管理者の資格も人気ですが、社労士の資格を取得することで、さらにスキルを強化して、ステップアップを目指すことができます。
キャリアコンサルタントとのダブルライセンスについてはこちらの記事でご紹介します。
また独立開業では、中小企業診断士や行政書士、ファイナンシャルプランナーとのダブルライセンスで業務領域を広げることができます。
中小企業診断士とのダブルライセンスについてはこちらの記事でご紹介します。
まとめ
いかがですか。ご自身のキャリアに社労士は役立ちそうでしょうか?
仕事をしながら勉強するのは簡単なことではありませんが、社労士を目指すと決めたら、集中して勉強することをおすすめします。白書や法改正からの出題は常に新しい情報への更新が必要になりますので、期間が長くなればなるほど負担が増えます。
私は平日に仕事が終わってから2時間程度、週末には集中力が続く限りできるだけ勉強しました。勤務先には資格勉強中であることは言ってませんでしたので、残業や飲み会など勤務時間外の拘束時間も短くはなかったです。今思えば、「絶対辞めてやる!」という強い気持ちが原動力になっていたように思います。
社労士試験の勉強時間についてはこちらの記事でご紹介します。
基本的にはテキストを覚えて、過去問を10回以上繰り返すという勉強法で合格レベルに到達しました。資格を目指す人の事情や目的はそれぞれ違うでしょうし、私の経験がどのくらいお役に立つかはわからないのですが、何かの参考になれば幸いです。
社労士試験の勉強法まとめはこちらの記事でご紹介します。mmitsu.hateblo.jp
社労士のキャリアアップについてはこちらの記事でご紹介します。